今週のテーマ:アンラーニングを広める私たちの「原点」と「夢」
導入:コップが満杯なら、新しい水は一滴も入らない
現代を生きる私たちは、常に「もっと学ばなければ」「もっとスキルを身につけなければ」という焦燥感に突き動かされています。書店に行けば「最短で身につく」「一生モノのスキル」といった言葉が並び、私たちはそれを必死に自分のコップへ注ぎ込もうとします。
しかし、ふと気づくと、私たちのコップはすでに過去の成功体験や、古くなった常識、他人の価値観で溢れかえってはいないでしょうか。
満杯のコップには、どんなに素晴らしい新しい水(知恵)を注いでも、すべてこぼれ落ちてしまいます。私がアンラーニングという概念に出会ったとき、真っ先に感じたのは「救い」でした。新しい自分になるために必要なのは、さらに何かを付け足すことではなく、今持っているものを「手放す」ことだったのだ、と。
本論:VUCAと生成AIが、私たちの「正解」を溶かしていく
今、私たちが生きているのは、VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)と呼ばれる、一寸先も見えない時代です。さらに生成AIの登場によって、昨日までの「専門知識」や「正解を出す力」の価値は、驚くべきスピードで変化しています。
1. 「足し算の成長」の限界と、意図的な手放し
これまでのスキルアップは、既存の知識の上に新しい知識を積み上げる「足し算」のモデルでした。しかし、前提条件そのものが根底から覆る今の時代において、過去に積み上げた「成功の公式」が、逆に新しい進化を阻むブレーキになってしまうことがあります。
今、求められているのは、単なるスキルアップ(リスキリング)の前に、今の自分を縛っている古いOSを一度削除する「アンラーニング」です。これは決して、過去の自分を否定することではありません。変化の激しい時代を生き抜くために、自らの意志で「余白」を作る、極めて知的で勇気あるプロセスなのです。
2. 「心の断捨離」を学問として研究する
日本には、物を整理し執着を捨てる「断捨離」という素晴らしい文化が根付いています。アンラーニングは、いわばその「思考・知性版」です。
単なるブームとしての整理術ではなく、組織行動学や心理学の分野で「学習棄却」として長年研究されてきた、確かな裏付けのある学問でもあります。私たちは、この「アンラーニング」という概念を、日本、そして世界へと広めていきたいと考えています。
「手放すことで、より豊かになれる」 このパラドックス(逆説)こそが、現代人が抱える閉塞感を打ち破る鍵になると確信しているからです。
結び:経営ストラテジスト協会としての誓い
私たち経営ストラテジスト協会の夢は、アンラーニングが当たり前の文化として日本中に浸透することです。
誰もが「過去の自分」に縛られることなく、いくつになっても新しく生まれ変われる社会。失敗を恐れて停滞するのではなく、古い自分を脱ぎ捨てることを楽しみ、アップデートし続けられる世界。
この連載を通じて、一人でも多くの方が「手放すことの心地よさ」に気づき、軽やかな一歩を踏み出せるよう、私たちは知の羅針盤であり続けたいと願っています。
私たちの旅は、まだ始まったばかりです。このアンラーニングの輪を、共に広げていきませんか。
著作権は経営ストラテジスト協会に帰属します。


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